2013年2月4日月曜日

San Jose の”最強のふたり”

Pura vida! Soy Shingo です。

ついにやって来ました、コスタリカ。
"A mi me gusta mucho Costa Rica, el clima es muy bueno y las ticas son bonitas
 (私はコスタリカがとても気に入ってます、天気は最高だし、女のひとはみんなきれいだし)" 
そんなことを毎日実感しながら、日々充実した濃い時間を過ごしています。

昨日の2月2日より、Perez Zeledonでの研修は本格的に始まり、早速、Morphoセンターのメンバーがこの一年の活動を振り返り、次の活動に向けた意気込みを話してくれたり、MSA(メインストリーム)に対してさまざまな質問や細かいアドバイスをいろいろ聞いたりしていて、初日からここペレスの気温以上に(エアコンの無い日本の7月の暑さぐらい)かなり熱の入った研修が行われています。

さて、今回は僕がSan Joseで過ごした3日間を、昨年のJICA研修で日本に滞在していたCarlosとAlexの様子を織り交ぜて報告したいと思います。



1月29日 滞在1日目

成田空港を出発し、シカゴ、マイアミと経由し、待ち時間を含め合計30時間以上をかけて、29日の午後3時過ぎにようやくコスタリカの首都・サンホセに到着しました。

空港出口には、カルロスとアレックスが出迎えてくれて、カルロスの叔父さんの運転で、まずZapote地区にある彼の家へ向かいました。
約30分の道のりで、コスタリカ特有の山に囲まれた風景や日本ではなかなか見られないような自然の景色やコーヒー畑を見ながら、またラテンアメリカならではのにおいをかぎながら、叔父さんの家に到着しました。



まずは、その奥さんやカルロスのいとこやメキシコから来たその旦那、さらには赤ちゃんも出迎えてくれ、早速本場のコスタリカコーヒーを堪能しました。
家族の皆さんからコスタリカの文化や習慣についていろいろ教えてもらい、かなりの英才教育で育てられている1歳のマックス君と遊んでいると、お祈りの時間を終えたカルロスのおじいちゃん・おばあちゃんが登場。
これまで世界各地を旅行してきたというおふたりは日本での滞在経験もあるとのことです。
そうなんです、カルロスがあれほど日本大好きになったのは祖父母の影響が大きいんです。


その後、隣接しているカルロスの家族の住む家へ。
弟のジョシュア君とお母さんにあいさつをし、昨年12月に自立生活を始めるまでずっと使っていた部屋を見せてもらいました。

この2時間少々の滞在で、カルロスがいかにしてあのカルロスになったのかがわかる気がしました。



だいぶ日が落ちてきて、Moravia地区にあるカルロス&アレックスが生活するアパートへ向かいました。
昨日のブログの写真にもあったように、バルコニー付きの2LDKぐらいの大きさ。
まだ引っ越しをしてから1か月少々いうこともあり、冷蔵庫や洗濯器、洗面所の水道が出ないこともあり、まだまだ準備段階ですが、二人はこの家をサンホセの自立生活の事務所も兼ねて生活をしています。


僕が滞在している間も、朝から精力的にパソコンに向かってレポートを作成したり、ペレスのモルフォの事務所や他の関係機関とも絶え間なく連絡をとっていたりしていました。
時には、自立生活をいかに広めていくかの戦略について議論を交わしたりしている様子も見られました。

ところで、アレックスはサンホセでカルロスと一緒に働く唯一の健常者スタッフとしてだけではなく、MSAでの研修時と同様にカルロスのasistenteもしています。
今はサンホセに他の介助者がいないため、毎日の生活のすべてを彼が介助をしています。
なお、この時期、2人は土日も関係なく仕事をしていて、1日の生活のうちの多くの時間をこの活動に費やしているとのことです。
2人の仕事ぶりを見ていると仕事への熱意がビンビンと伝わってきました。



1月30日 2日目

この日は、Heredia地区に住む今回ペレスで行われるセミナーに参加予定の筋ジスを抱えているDavid宅へ向かいました。
実は、カルロスもアレックスも彼と直接会うのは初めてだったとのことでしたが、2人は自立生活についての説明を上手に話し、日本での経験やペレスの活動、畑さんやかっちゃんの話もしながら語っていました。
その後、さらにその他のセミナー参加予定者も加わって、約3時間ほど、質問しあったり、それぞれの経験を話したりしてかなり盛り上がった様子でした。
カルロスとアレックスは交互に、時にはユーモアを交えながらかなり具体的に自立生活についての説明をしていて、まるでMSAのスタッフの皆さんが話しているような感じでした。
個人的には、カルロスたちの仕事ぶりを直接見ることができただけなく、ダビッのような自立生活についてあまり知らない障害者がインスパイアされた場面に立ち会うことができて良かったです。

 


 1月31日 3日目

この日は、午前中に役所の人がカルロスの部屋を見学に訪れるはずでしたが結局来ず。
アレックスが昼食を作ってくれ、それを堪能した後に、2人にCentro de SanJoseを案内してもらうことに。

今回は公共のバスに乗ってセントロへ向かいました。
実は、カルロスにとってはこういう公共バスに乗ることは初めての経験だったとのことです。
運賃はだいたい70円くらいで、よく見るとサンホセを走るバスの多くに車椅子マークがついていてリフトが備え付けられています。
運転手も意外とテキパキと準備をしてくれていました。
ただ、帰りのバスではリフトが壊れていたり、乗客で込み合ったバスには断られたりする場面はありました。
カルロスも無事乗車できたものの、サンホセの山がちな地形、穴だらけのでこぼこ道路、さらには運転手の荒すぎる運転のため、結局アレックスが終始車椅子を支えるかたちでした。



バスを降りてセントロを散策。
2人の案内で、観光客と地元民で賑わう広場や目抜き通りを歩きました。
そこからしばらく歩いたところにあるアレックスのいとこが経営する喫茶店で休憩をとりました。
家族や親せきとの付き合いを非常に大切にするコスタリカ。
カルロスの自立をきっかけにサンホセに引っ越してきたアレックスですが、休日は首都在住のいとこたちと一緒に遊ぶことが多いらしいです。





以上のような様子で、2人のおかげでかなり充実した日々を過ごすことができました。
ちなみに、カルロスはもちろん、アレックスまでが日々日本語の勉強をしているとのことです。
また、滞在中、彼らと過ごしている間に、2人のこの自立生活に対する熱い気持ちや、2人のこれまでのバックグランドや経験を直接聞くことも多くありました。

コスタリカと日本のハートを持つカルロス。当事者として強い覚悟を持ち、周囲にも誠実で場を和ませる力を持っています。「空気を読む」ことも得意です。

一方のアレックスは誰よりも当事者に近い立場で、モルフォや日本での経験を活用し、日々まじめに献身的に活動をしています。
昨日も公園に突如現れたボラーチョ(酔っ払い)に対しても、こちらに危害がないように誠実に対応していました。沖田さんも「日本に連れて帰りたい」とのことです。



最後に、
首都にもかかわらずサンホセの状況はペレスほど良いものではなく、乗り越えなければならない課題がいくつもあるようですが、この”最強のふたり”がいれば何か新しいことを達成できるような気がしてきます。

カルロスがしきりに言っていた「メインストリームミタイナジリツセンターオツクリタイデス」が実現できる日もそう遠くないのではと思えてきます。

今後もふたりの活動を見守り続けていきたいと思います。


以上、サンホセでの活動の報告でした。







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