2014年2月17日月曜日

ボリビアセミナー3日目

セミナー3日目

HOLA
佐藤です。



日本出発前に熱出して一週間も寝込んでいたのですが、なんとか復活し、ボリビアにやって来ました。

首都のラパスは標高3,700mで、僕は頭痛にはならなかったのですが、息が苦しいこと。夜寝る時、このまま寝たら死んじゃうんじゃないかと思ったのですが、ちゃんと朝になっていました。

セミナーをやっているここスクレは、日本で言えば京都。世界遺産にも登録されている綺麗な古い街です。標高は2,900mで、ここは息苦しくもなく快適です。


さて、本日はセミナー3日目。
明日が最終日ですが、デモをやるので、室内で研修をするのは今日が最後です。
では、今日の様子をご報告しましょう。

●「交渉と運動」
午前中は、私が講義をさせていただきました。テーマは「交渉と運動」。

昨日までは帰国研修生(フェリサ、ガリ、ヘラルド、アルミンダ)が講義をし、日本人はそのフォローというスタイルでやってきたのですが、今日は私が担当させてもらいました。

で、いつも外国人に話すときは交渉の細かい技術的な話をしているのですが、このセミナー、実は県の職員が一人ずっと聞いているのです。交渉相手となる県の職員には知られたくないな~という内容なので、職員が来たら話の内容を変えるので、みんなサインしてね、と言っといたのです。

そしたら5分ぐらいで職員が登場し、みんながそれぞれ目立たないようにサインを送ってくれました。


で、運動の話をする前に、まずは自分史。施設時代、普通校、大学、自立生活運動との出会い、廉田との出会いを話したのですが、そこそこうけました。良かった~


後半は社会モデルの考え方を話したのですが、メインが誇る美術部のあやぶー画伯に説明図を描いてもらったところ、これが大好評。終わってから、何人にもあの図が欲しいと言われ、あやぶー画伯に発注し、配布へ。こんなにうけるなら、俺も一つ描いてもらって持っておこう。


運動のやり方や大事なポイント、そして昨日話した介助の仕組みについてもう一度まとめて説明しました。家族介助とボランティアはなぜダメなのか、公的な有料介助制度はなぜいいのかを説明し、目指すべき介助制度を明確にするように伝えました。


●タケシのコスタリカ報告
お昼ご飯の後は、ついに出ましたタケシのコスタリカ報告です。同じスペイン語圏の国での実践にみんな興味津々のようで、具体的な質問が多かったな。



●帰国研修生の活動報告
〇タリハ(ヘラルド)

ヘラルドは日本から帰った後、2013年の8月にVuelos de Libertad(自由な羽ばたき)という団体を立ち上げたそうです。5人のメンバーで、市の条例に障害者の権利を入れるように働き掛けたり、ILセミナーを開いたり、議会にエレベーターをつけるように働き掛け、障害者を探して訪問するという活動を続けているそうです。

〇ポトシ(ガリ)

 ガリも帰国後にDIVERTAD(多様な自由、楽しむ自由)という団体を立ち上げました。最初は古くからある障害者協会にいってILのことを話してメンバーを集めようとしたけど、全然集まらなかったそうです。
そこで、障害者の家庭訪問をしたり、サッカー場で出会った障害者と仲良くなり、メンバーを増やしていったそうです。
ILセミナーを開いたり、交渉をしたり、パレードに参加してアピールしたりしているそうです。ここはメンバーがみんな若く、レクリエーションもたくさんやって、楽しみながら活動している雰囲気が伝わってきました。ガリは、兄貴分という感じで、メッチャ人望が篤そうでしたよ。

〇スクレ(フェリサ、アルミンダ)

 もともとフェリサがNueva Esperanza(新しい希望)とう団体に属していて、そこで活動を展開しています。障害者宅訪問をしてアルミンダを見つけ出し、いまでは立派な代表に育て上げていました。バザーをやったり、タリハやポトシにも行ってILセミナーを一緒に開いたりして、各地の活動をフォローしていました。


●まとめと来年に向けて
 最後はまとめです。フェリサが司会をして、来年もこのセミナーを開こう、各地でやった方がいいから、来年はポトシでやるということが決まりました。
で、その後は、参加者が県ごとに集まって、来年のセミナーまでにやることを話し合って発表しました。

〇スクレ

  メンバーを増やす。
  自立生活できる家を探して自立する。
  介助者の養成をする。
  法律2232つの項目を実施できるようにする。
  コンチータ(歌の上手いメンバー)を使ってコンサートをする(お金集め)

〇コチャバンバ(1名)

  今回のセミナーでILのことが分かったので、グループの活動目標を変える。
  戦略を考えてステップを見直す。
  市役所に介助制度を要求する。帰ったらさっそくこれに挑んでみる。
  家がなくなった障害者がいるので、住まいを確保する。

〇ラパス(3人)

  今回初めて会った人もいるので、グループとして毎週一回集まるようにする。
  法律223を勉強する。
  メンバーを増やす。
  団結を目的に、レクリエーションを3つする。

〇オルロ(2人)

  メンバーを探す。
  セミナーを開きたい。
  ボランティアの介助者を探す。

〇サンタクルス(1名)

・自立したい障害者を探し、フェリサやガリに来てもらってILセミナーを開きたい。

〇ポトシ

  キャンペーン活動をする。
  コンサートをする。
  来年のILセミナーの時はみんなでウユニ湖に行こう!
  介助者養成をする。

〇ベニー(2人)

・来年の歩問いのセミナーに少しでも多くのメンバーを送りたい。

〇タリハ(4人)

  帰ったらすぐに社会福祉を勉強している人にセミナーを開き、ボランティアを探す。
  会則を作る。
  関係機関にプロジェクトを提案する。
  介助が必要な障害者を探し仲間にする。

こんな感じで、参加者全員が何かをやっていこうという雰囲気をフェリサがつくってもっていったところが上手でしたね。
絶対あなたたちを離しませんよ、と言っとりました。

●修了式
 明日は外にでてデモをするので、修了式は今日のうちにやることになりました。県の職員が挨拶し、続いてフェリサがスピーチ。

「前回のセミナーは全部自分一人でやったが、今回はみんなで協力し分担してやることができた。たくさんの人が集まり、各地で運動を展開し、ボリビアの自立生活運動は始まった。いまがチャンス。これからますます運動を展開していこう」
最後に日本を代表して廉田が挨拶しました。

メインストリームが海外支援を始めたきっかけ、自立生活運動の理念を伝えること、支援活動の迷い、いろんな国にILセンターが立ち上がって運動をすることの面白さ。そして、今回のセミナー初日にフェリサが「お金がないけどこの運動はメチャメチャ楽しい」と言ったときに、涙が出そうになった。ああ、このために自分たちは日本からこんなに遠い国にやって来たんだなと思った。そう言いながら、廉田は泣いちゃいました。聞いていたみんなも泣いちゃいました。

●補講

 実は晩ご飯のあと、有志だけでもう一回講義をしました。午前中に県職員が来ちゃったので話せなかった交渉の技術的なことを聞きたいということで、22時前から補講をやりました。20人くらい集まったかな。熱心やな~。

質疑もたくさん出て、日本とボリビアの文化や社会システムの違いなども話し合えて面白かったです。結局24時前までやってました。

今日は朝の9時から24時までやったけど、メチャメチャ面白かったです。ボリビアの障害者達は、明るくて、とっても熱心で、一緒にいると本当に居心地が良いのです。良いリーダーがいて、良いメンバーが集まって、これから社会を変えていくぞ!という気概もあって、とっても楽しいセミナーでした。
明日は最終日。街をみんなでデモ行進します。






2014年2月16日日曜日

スクレ研修 2日目


どーも、皆様お久しぶりです。
久々のブログ担当のこたです。

昨日のちょっとこじゃれた雰囲気のムラらんのブログの通り、ボリビアにやってまいりました!
4000m級のボリビアの首都ラパスですっかり高地にやられて、頭痛が止まらない最悪の初南米上陸でしたが、ちょっと標高の低いスクレの街に移動した途端めでたく復活!
すっきりとセミナーに臨めて良かったー。

さて、今日はセミナー2日目。本日1日セミナー三昧!気合入れて出発!

私達の宿泊しているHOTEL LA POSADAからタクシーで約15分、


これがHOTEL LA POSADA.
おお、格式ありそうな外観!

中庭めっちゃきれい!
ランチが有名なんだって
 
セミナー会場のVilla Boribvariana(ビリャ ボリバリアーナ)に到着。

なかなかきれいな建物ですね。

ラテン特有のんびり気味の集合ですが、参加者も集まってきたしそろそろセミナー開始ですな。
今日の一発目は、フェリサの講義「自立生活センターの組織」

フェリサ・ラモス!
 
一通り自立生活センターの役割や目的の話をした後、同じ地域で2人組にして、「自分達で自立生活センターを作るとしたら何が必要か?」というテーマで話し合いをしていました。

そして5分後、話し合いの結果を発表!

まずは場所探さないとなー
支援者もいるわよねー
正直お金も必要だと思うわ
いやいや、センターの名前決めてないし!
ちゅうか、差別ばっかりやがな!
何とかしてくれや~
バリアフリーの運動もせんとなー
エンパワメントも必要だと思うの
介助者のこと忘れてるでー
と、いろいろな意見が活発に出てきていました。いいぞ、フェリサ!

その後、フェリサ自身がどうやってセンターを作ったかを話をしていました。

おお、めっちゃ話上手やん、フェリサ!
 
しかし、なぜか話の途中で休憩に突入し、休憩明けはあまりの天気の良さに、みんなで外に出て青空セミナーとなりました。

めっちゃいい天気!
ここの方が気持ちいいわー
 そしてフェリサに続いて、かどちゃんがメインストリームの歴史の話をしました。
昔懐かしい創立当時の話や震災バブルの話をしていました。

 
めっちゃ爽やか

続きましてガリの自立生活センターの運営の話、のはずですが、予想外にフェリサの話が長引いて微妙な時間になったので、ガリの話は後回しにして、とりあえず昼飯タイム!

一曲はさんで~
 
ランチタイム。
開催中は昼食夕食つきのこのセミナー、意外とおいしかった昼食を食べつつ、とても小奇麗なこの建物がなんだか気になってきた…

ということで折角ですので、昼食休憩中にここVilla Borivarianaのセミナー会場を紹介!

 まず入口。

交渉の成果!
 
どうもスロープ設置の要望をしていたらしいのですが、昨日来ると歩道からスロープがついてる!!ボリビアメンバー大喜び!だが惜しい、最後の入口が段差がある…

詰めが…
でも何かセメントの素のような袋が…
きっとここにも何日か後にはスロープがついていることでしょう。

 そして入口をはいって、

きれいなエントランス

右に曲がると、


セミナー会場到着!




会場に入って左を向くと、Cocina(食堂)!


 
右を向くと、セミナー会場!

 
後ろから
一応、同じ会場なんですが、しっかりと別れている様子。
ちゃんと食事は左側でね!

 さて、そんなこんなで昼食が終わって、昼からは延び延びになったガリの「自立生活センターの運営」の講義。
 
ガリー ネルソン!太った?

日本で勉強したことをしっかりと講義していました。
お金も大事だなー、ということも話していましたね。いろいろとキャンペーンをやっているようです。
ガリの地元のポトシにも自立生活センターを作ろうとしていて、どのように作っていこうかという話をしていました。
そして、講義の最後にはどっかでよく聞いたセリフが…
「この仕事は金持ちにはなれません。でも心がリッチになります」
世界中に広がっています!
 
その後、またもやかどちゃん登場。

自立生活センターの仕事は、一般的な9001700の仕事とは違うんだよ、という話や、介助サービスが出来て、国から介助料が入ってくるようになってきたので、自立生活センターの運営資金が出来たり、介助者という新しい仕事が出来た、という話をしていました。

続いて、ヘラルドの「介助者がどう組織されるのか?」の講義。

おちついてるねー
 
自立には介助者が必要だが、有料の介助、ボランティア、親兄弟党ありますが、どういう形がいいか、という話になりました。
いろいろな意見が出てきましたが、介助者はやはり有料がいいという話とその理由をみんなで話し合いしました。そのあとは、介助者の役割や性の介助についての話をしました。

その後は、スクレで介助ボランティアをしているネルソンくんの経験の話をしました。

イケメン

介助に関しても日本でも聞いたような問題があるようで、どこの国でも同じなんだな、と思いました。
結局有料、ボランティア、親兄弟のどの介助タイプがいいのか、今後どうしていくのかという話がしっかりできていないので、翌日にもう一度確認をすることになりました。


そして、最後の講義はアルミンダの「障害者のエンパワメント」でした。

よっ、代表!
 
自分がどのようにこの活動に関わるようになったか、という話をしました。
障害者になって家にいる頃に、いきなりフェリサに誘われ、怪しみながらも外出するようになり、そのうちにフェリサの団体の活動に関わり、日本に研修に来て、さらに自分がエンパワメントされた、という経験談をしていました。自分の昔のやんちゃなころの話をするのが嫌だったのですが、その部分も正直に話しできたり、死にたいと思っていたのが、もう思わなくなった、というふうに変わった、という話をしていました。

その後、大ちゃんが日本の障害者エンパワメントの手法として、ILPやピアカンを使ったりして自立につなげていく方法を話していました。

メイン相談支援の父
 
こうして、今日一日の講義が終わりました。

そう、今日は日本で研修した4人がそれぞれ発表をしたんですよね。

もともと、ボリビア側が計画していたのは日本人が各講義を行う予定でしたが、2回目のセミナーということもあり、今回はボリビアのメンバーが主に講義し、日本側がオブザーバーとして話をする形式を取ることにしました。

そして今日、彼らがしっかりと自分の国の障害者に自立生活のことを伝えているのを見て、何というか、嬉しくなってしまいますね。

 ボリビアに来て思ったのですが、ラパスもスクレも坂が多くて本当に車いすで移動するのも困難な国なんです。

山の上まで家、家、家

でも、ボリビアの障害者は元気だし、フェリサやアルミンダの「Nueve Esuperansa」を見てると、これからいろんなことをしていく希望に満ちあふれた、なんというか元気さや勢いを感じました。

 明日あさってとセミナーは続きますが、ボリビアの自立生活運動がさらに発展し、自立生活センターが出来て、環境が厳しいからこそどんな障害もがあたりまえに生活できる国になってほしいなー、と思います。

 いやー、でもまさか自分が南米に来るなんて思わなかったなー、と夜更けの感慨に浸りながら、今日のブログは終わりにしますね。

今日の写真は、写真センスが限りなくゼロに近い私に変わって、センス抜群ムラらんにお願いしました。連日ありがとうございます!

今日もしゃれてるね!
 

あ、ちなみにボリビアもやっぱりラテン系!

ラテン系の夜と言えば…ダンスと歌ですよねー。
今日は夕食前から宴が繰り広げられるのでした…

フェリサ&アルミンダ
スクリーンが一瞬でカラオケに!
ラモス熱唱!

さぁ、まだまだラテンのノリは続くぞー、気合い入れていこうっと!
ではまたー、こたでした。

くつろぐ日本人チーム
 

 

2014年2月15日土曜日

スクレ研修 1日目

どうも、ムラタです。

隣の部屋でワインパーリィをしているなか、ひとり体育座りをしながらブログ書いてます。

眠たすぎる…

さっそく報告です。

『 ボリビア・スクレ 』

世界遺産・スクレ

日本を飛び立ち4日間という長旅を経て、ようやくボリビア・スクレという都市に降り立つ。

首都ラパスから古都スクレへの移動は飛行機で1時間弱。

飛行機への乗り降りは、標高の高さだろう。動悸、息切れが半端ない…

それにしてもこの景色。もうすでにこの国に来ることができて良かったと思った。

スクレは1825年にスペインから独立。街並みはその時代の名残だろうか、独特の雰囲気を

醸しだしていて、いかにも俺好み。

一瞬、セミナーのことを忘れてしまいそうになる。


『 前日・歓迎 』

アミーゴス

スクレの小さな空港を降り立ち、待っていたのは雨だった。どうやら雨期らしい…

タクシーに乗り込み、フェリサ(写真中央)率いる「CIL Nueva Esperanza」に向かった。

それにしてもこの歓迎。感激で少し涙がでそうになる。(でなかったが…)

日本人が遠方のボリビアに来て、セミナーを開くことがどれだけすごいことなのかは想像できる。

それにしてもセミナー前日にも関わらず、こんなにもたくさんの当事者が歓迎のために集って

くれる事は本当に素晴らしいことだと感じた。

まだ1日も始まっていないが、セミナーの成功を確信しもしたし、ボリビアの未来は明るい。


『 セミナー・仲間 』


主催者側のセミナーにかける想いは相当なものであっただろう。

前日の深夜にまでおよぶ打ち合わせがそれを物語っていた。

ではここで簡単にメンバーの紹介を。



『 フェリサ 』

今回のセミナーの中心的存在。

セミナー全体のサポートから、さまざまな機関へ

の交渉などをこなし、陰でセミナーを支える。








『 アルミンダ 』

プログラムの草案を作成やセミナー会場のコー

ディネートを担当。

フェリサとともに政府機関などへの交渉も担う。

スクレの星。




『 ヘラルド 』

ボリビア・タリハで集会を開き、今回のセミナー

の人集めを行う。

タリハ出身のセミナー参加者へのいろいろな

サポートを担当。





『 ガリ 』(写真左)

歓迎会の準備やボリビア・ポトシでの人集めを

行う。

今回のセミナー参加者50人近くのうち、20人

も集めてしまうという人望の厚さには驚き。





この4人が中心となって今回のセミナーを行う。

セミナー成功は間違いないでしょう。



『 1日目・セミナー 』



見てください。この真剣な顔。

ヘラルドは「自立生活とは何か?」という講義を

担当。

話が横道にそれてしまった時もきちんとそれを

修正して、それでいて相手の意見を重んじる

姿はさすが。想いが伝わりました。




見てください。この躍動感。

廉田さんの話はいつも聞いているはずなのに、

毎回感動してしまう。

障害者になって良かったという話は本当に

胸を打つ話だった。





今回なによりもボリビアの障害者がみな意見を出し合って質問し

ているのが印象的だった。

これから障害者運動をしていく国にいつも感じることは、その前向

きさ。

そんな前向きな姿を見ていると、こちらまで元気をもらうことができ

る。この3日間のセミナーを通して、参加者の意識を変えていくこ

とができたらと思う1日目だった。



            
2日目に続く…